「プリンチペ」は1930年フィレンツェでエンツォ・ドーニ氏によって創業されました。当時はマッティ宮殿の中の小さな１区画を占めていましたが、その後ルネッサンス時代の傑作、フィレンツェの歴史的中心であるストロッツィ宮殿の広場に移転しました。この創業時代、店内ではニットの下着やガウン、トスカーナ地方ではまだなかった既製ワイシャツなど最新のアイテムを販売して、高い評価を得ていきました。戦後オーナーであるドーニ家は「プリンチペ」を会社組織として経営する事とし、本格的にイタリアのファインニット分野を手掛けたこと、また、オーダーメイドを柱としつつも婦人と紳士の既製服やシャツなどの売上を大きく伸ばしました。世界で最初にストア・ネーム「プリンチペ」をブランドとしワン・ブランドでトータル・コーディネートを提案する戦力はフィレンツェ、イタリアだけでなくヨーロッパに大きな影響を与え、「プリンチペ」という不動のプレステージを持つこのプライベート・ネームが確立されました。1969年には輸出部門を独立させ新会社を設立。1970年代には欧州特に西ドイツやフランス、アメリカなどに本格的に輸出を行い、「プリンチペ」の名を世界的なファッション・ブランドとして知らしめるに至っています。